スバルフォレスターの購入を考えているけれど、愛車が盗難に遭わないか心配、と感じていませんか。特に屋外駐車場を利用する場合、そのリスクは無視できません。
実際のところ、フォレスターの盗難率はどの程度なのでしょうか。この記事では、日本で1番盗まれやすい車は何か、最新の盗難されやすい車ランキング、そして万が一に備えた具体的な対策まで、あなたの疑問に総合的にお答えします。
盗難されやすい車の特徴や、車が盗難されやすい場所、さらには車両盗難ランキングを都道府県別に比較することで、客観的なリスクが明確になります。また、同じスバル車であるスバルXVの盗難率やレヴォーグの盗難率との比較も、参考になるはずです。
この記事を最後まで読めば、フォレスターの盗難リスクに対する正しい知識が身につき、効果的な盗難対策グッズの選び方から、もしもの被害に遭った後の対応、さらには保険の適用範囲まで、必要な情報がすべて手に入ります。安心してフォレスターを迎え入れるために、まずは現状をしっかりと把握することから始めましょう。
この記事のポイント
- フォレスターの盗難リスクの客観的な立ち位置
- 最新の車両盗難ランキングと狙われやすい車の傾向
- 明日から実践できる具体的な盗難防止対策
- 万が一の際に役立つ被害後の対応と保険の知識
フォレスターの盗難率は低い?ランキングで比較
フォレスターの盗難リスクを正確に把握するためには、まず国内の自動車盗難全体の傾向と比較することが有効です。ここでは、どのような車が狙われやすいのか、またその特徴は何かを解説し、フォレスターの相対的な立ち位置を明らかにします。
- 日本で1番盗まれやすい車は何か
- 最新の盗難されやすい車ランキング
- 盗難されやすい車の知っておくべき特徴
- 意外?盗難されにくい車ランキング【日本版】
- XVとレヴォーグの盗難率から見るスバル車
日本で1番盗まれやすい車は何か
日本で最も盗難被害に遭いやすい車として、長年にわたり名前が挙がっているのがトヨタ・ランドクルーザーです。日本損害保険協会の調査では、毎年ワーストランキングの上位常連となっており、極めて高い盗難リスクに晒されている車種と考えられます。
ランドクルーザーがこれほどまでに標的とされる背景には、その圧倒的な海外での人気と需要があります。特に新興国や紛争地域などでは、その高い耐久性と悪路走破性が評価され、高値で取引されています。窃盗団にとっては、盗難後に海外へ不正輸出すれば大きな利益が見込めるため、格好のターゲットとなっているのが実情です。
この事実は、単に高級車であることだけが盗難リスクを高めるのではなく、海外でのリセールバリューや需要がいかに大きく影響するかを示唆しています。したがって、車の防犯を考える上では、こうしたグローバルな視点を持つことが不可欠と言えます。
最新の盗難されやすい車ランキング
自動車盗難の傾向を把握するため、日本損害保険協会が発表した最新の「自動車盗難事故実態調査」の結果を見てみましょう。このデータは2023年1月1日から12月31日までの期間を対象としており、現在の盗難リスクを最も正確に反映しています。
順位 | 車名 | 件数 | 構成比 |
---|---|---|---|
1位 | ランドクルーザー | 383件 | 14.8% |
2位 | アルファード | 363件 | 14.1% |
3位 | プリウス | 282件 | 10.9% |
4位 | レクサス LX | 129件 | 5.0% |
5位 | ハイエース | 88件 | 3.4% |
6位 | クラウン | 73件 | 2.8% |
7位 | レクサス RX | 68件 | 2.6% |
8位 | ヴェルファイア | 65件 | 2.5% |
9位 | レクサス ES | 32件 | 1.2% |
10位 | ハリアー | 27件 | 1.0% |
このランキングから明らかなように、上位はトヨタおよびレクサスブランドの車両が独占している状況です。特にランドクルーザーとアルファードの2車種だけで、全体の約3割を占めており、被害が特定の車種に極端に集中している傾向がうかがえます。
残念ながら、このランキングにスバル・フォレスターの名前は入っていません。この事実は、フォレスターが窃盗団の主要なターゲットからは外れている可能性が高いことを示しています。しかし、ランクインしていないからといって絶対に安全というわけではないため、油断は禁物です。
盗難されやすい車の知っておくべき特徴
盗難されやすい車には、いくつかの共通した特徴が見られます。これらの特徴を理解することは、ご自身の車のリスクを判断し、適切な対策を講じる上で非常に役立ちます。
海外での需要が高い
前述の通り、ランドクルーザーやアルファード、ハイエースなどが典型例です。日本車は品質と耐久性の高さから世界中で人気があり、特にこれらの車種は海外で高値で取引されるため、窃盗団にとって利益の大きいターゲットとなります。盗難された車両の多くは、解体されて部品として、あるいは車両のまま不正に輸出されるケースが後を絶ちません。
市場価値の高い高級車・新型車
レクサス各車やクラウンのように、車両自体の価値が高いモデルは、転売目的で狙われやすくなります。特に発売されたばかりの新型車や限定モデルは中古車市場でも人気が高く、すぐに現金化できるため、窃盗団にとっては魅力的な標的です。
スマートキー(キーレスエントリー)搭載車
近年の車の多くに標準装備されているスマートキーは、その利便性の裏で新たな盗難手口を生み出しました。「リレーアタック」や「CANインベーダー」といった手口は、スマートキーのシステムを悪用するものです。これにより、窃盗犯は物理的にキーを持っていなくても、短時間で車を盗み出すことが可能になっています。
流通量の多い人気車種
プリウスやハリアーのように、国内で非常に多く販売されている車種も注意が必要です。流通量が多いため、盗難後に部品として売却する際の需要が高く、また多くの同型車に紛れ込ませることができるため、犯行が発覚しにくいという側面があります。
これらの特徴を踏まえると、フォレスターは一部の要素(スマートキー搭載)には該当するものの、海外での圧倒的な需要や超高級車といった最もリスクの高い特徴からは外れていると考えられます。
意外?盗難されにくい車ランキング【日本版】
「盗難されやすい車ランキング」は公表されていますが、公式な「盗難されにくい車ランキング」というものは存在しません。しかし、これまでのデータや専門家の見解から、盗難リスクが比較的低いと考えられる車の傾向を推測することは可能です。
一般的に、以下の特徴を持つ車は窃盗団のターゲットになりにくいと言われています。
- 海外でのリセールバリューが低い車: 窃盗の主な目的が海外への不正輸出であるため、海外での需要や知名度が低い車種は、リスクを冒してまで盗むメリットが少ないと判断されがちです。
- 個性的なデザインやカラーの車: 街中で目立ちやすい派手な色や、特徴的なデザインの車は、盗難後の追跡や発見が容易になるため、犯人に敬遠される傾向があります。犯人は、できるだけ目立たず、多くの車に紛れ込める一般的なカラー(黒、白、シルバーなど)を好むとされています。
- 商用利用が難しい車種: ハイエースのように商用車として汎用性が高い車は部品の需要も高いですが、趣味性の高いスポーツカーや小型車などは、その汎用性の低さからターゲットになりにくい場合があります。ただし、WRXのように特定のファン層から強い人気を誇るスポーツモデルは、この限りではありません。
フォレスターは、これらの特徴に完全には当てはまらないものの、ランドクルーザーやアルファードのような極端に高い海外需要があるわけではありません。この点が、盗難ランキング上位に入ってこない大きな理由の一つと考えられます。
XVとレヴォーグの盗難率から見るスバル車
フォレスターの盗難リスクをより深く理解するために、同じスバルブランドの他車種、XV(現クロストレック)やレヴォーグと比較してみましょう。
公式な統計データで各車種の正確な「盗難率」を算出することは困難ですが、各種盗難ランキングや盗難事例報告を見る限り、XVやレヴォーグもフォレスターと同様に、盗難ランキングの常連となるような車種ではありません。
スバル車の中で特に盗難リスクが高いと指摘されることがあるのは、スポーツモデルの「WRX STI」です。これは、国内外に熱狂的なファンが存在し、車両本体だけでなく高性能なパーツにも高い価値があるため、部品取り目的も含めて狙われることがあるからです。
このことから、スバル車全体としては、トヨタやレクサスの一部車種のように組織的な窃盗団の主要な標的になっているとは考えにくい状況です。XV、レヴォーグ、フォレスターといった車種は、WRXのような特殊な需要背景を持たないため、相対的に盗難リスクは低い水準にあると推測できます。
ただし、これはあくまで「比較的に低い」ということであり、盗難のリスクがゼロであることを意味するものではありません。どのような車であっても、基本的な防犯対策を怠れば被害に遭う可能性は常に存在します。
フォレスターの盗難率を踏まえた必須の対策
フォレスターの盗難リスクは主要なターゲット車種と比較して低い傾向にありますが、それでも安心はできません。ここでは、盗難が発生しやすい地域や場所の傾向を把握し、具体的な防犯対策について詳しく解説します。
- 車両盗難ランキング【都道府県別】
- 自宅も油断禁物!車が盗難されやすい場所
- 今すぐできる盗難対策とおすすめグッズ
- もし被害に遭ったらまず何をすべきか
- 車両盗難は自動車保険でカバーできる?
車両盗難ランキング【都道府県別】
自動車盗難は、日本全国で均等に発生しているわけではなく、特定の都道府県に集中する傾向があります。最新の調査結果から、お住まいの地域のリスクレベルを確認しましょう。
順位 | 都道府県名 | 件数 | 構成比 |
---|---|---|---|
1位 | 愛知県 | 481件 | 18.6% |
2位 | 千葉県 | 363件 | 14.1% |
3位 | 埼玉県 | 289件 | 11.2% |
4位 | 茨城県 | 227件 | 8.8% |
5位 | 大阪府 | 187件 | 7.2% |
ワースト1位は愛知県で、全国の盗難件数の約2割を占めており、突出して多いことがわかります。続いて千葉県、埼玉県、茨城県、大阪府と、大都市圏やその周辺、そして大規模な港湾施設を持つ地域が上位を占めています。
これらの地域で盗難が多い背景には、人口や自動車の登録台数が多いことに加え、盗難車を解体するヤードの存在や、不正輸出のための港へのアクセスが良いことなどが関係していると考えられます。
ご自身の居住地や勤務地がこれらの地域に含まれる場合は、他の地域よりも一層高い防犯意識を持つことが大切です。また、これらの地域へ車で出かける際にも、駐車場所の選定などに注意を払う必要があります。
自宅も油断禁物!車が盗難されやすい場所
「車は人目につきにくい駐車場で盗まれる」というイメージがあるかもしれませんが、実は最も盗難が発生している場所は「自宅(屋外)」です。
警察庁の統計によると、自動車盗難の発生場所として最も多いのは一般住宅の敷地内で、全体の約4割近くを占めています。次いで多いのが駐車場(月極やコインパーキングなど)です。
多くの人が「自宅の駐車場だから安心」と考えがちですが、窃盗団にとっては、所有者が就寝している深夜帯など、人目がなく落ち着いて犯行に及べる格好の場所となります。特に、リレーアタックやCANインベーダーといった手口を使えば、警報を鳴らすことなく、わずか数分で車を盗み出すことが可能です。
したがって、自宅の駐車場が青空駐車場や、道路から簡単に出入りできるような環境である場合は、特に厳重な対策が求められます。自宅だからと安心せず、最も狙われやすい場所であるという認識を持つことが、防犯の第一歩となります。
今すぐできる盗難対策とおすすめグッズ
自動車盗難の手口は年々巧妙化していますが、複数の対策を組み合わせることで、被害に遭うリスクを大幅に減らすことが可能です。ここでは、代表的な盗難手口と、それに対応する効果的な対策やグッズを紹介します。
最新の盗難手口を知る
- リレーアタック: 犯人がスマートキーから発せられる微弱な電波を特殊な機器で受信・増幅し、別の仲間が持つ受信機に中継することで、車にキーが近くにあると誤認させて解錠・エンジン始動する手口です。
- CAN(キャン)インベーダー: 車のバンパー内部やフロントグリル内にあるCANと呼ばれる車両のコンピューターネットワークに、特殊な機器を接続して侵入。ドアの解錠やエンジン始動の信号を不正に送り込み、車を制御する手口です。警報装置を無効化されることもあり、非常に厄介です。
効果的な盗難対策とグッズ
これらの手口に対抗するためには、単一の対策ではなく、物理的な対策と電子的な対策を組み合わせることが鍵となります。
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物理的対策(視覚的な抑止効果):
- ハンドルロック: ステアリングホイールを物理的に固定し、運転できなくする装置です。外から見ても装着していることが分かりやすく、「この車は盗むのに手間がかかる」と犯人に思わせる高い視覚的抑止効果があります。バータイプやT字ロックタイプなど様々です。
- タイヤロック: タイヤとホイールを固定し、車が動かせないようにする器具です。非常に頑丈で破壊が困難なため、強力な盗難防止効果が期待できます。
- ナンバープレート盗難防止ネジ: 特殊な形状のネジでナンバープレートを固定し、専用工具がなければ取り外せないようにします。
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電子的対策(手口への直接的な対抗):
- 電波遮断ポーチ・キーケース: スマートキーを金属製の缶や電波を遮断する特殊な素材でできたポーチに入れることで、リレーアタックを防ぎます。自宅にいる時だけでも実践すると効果的です。
- 盗難防止装置(カーアラーム): 車両への衝撃やドアの開閉を検知して大音量の警報を鳴らす装置です。CANインベーダーに対応した、デジタル信号を監視する高機能な製品も登場しています。
- イモビライザー: 正規のキーに埋め込まれたIDコードと車両側のIDコードが一致しないとエンジンが始動しないシステムです。近年の車両には標準装備されていることが多いですが、イモビライザーを破る手口も存在するため、過信は禁物です。
- GPS追跡装置: 万が一盗難された場合に、車両の現在位置をスマートフォンなどで追跡できる装置です。犯人に発見されにくい小型のものが効果的です。
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スバル車独自の節電機能: スバル車の一部のアクセスキーには、電波の発信を一時的に停止する「節電機能」が備わっています。これはリレーアタック対策として非常に有効です。設定方法は、アクセスキーの「ロックボタン」を押しながら「アンロックボタン」を2回押すなど、車種や年式によって異なりますので、取扱説明書で確認してみてください。
これらの対策を複数組み合わせ、「盗むのに時間と手間がかかる、リスクの高い車」だと窃盗犯に認識させることが、愛車を守る上で最も重要なポイントです。
もし被害に遭ったらまず何をすべきか
万全の対策をしていても、残念ながら盗難被害に遭ってしまう可能性はゼロではありません。万が一愛車が盗まれてしまった場合に、慌てず冷静に対応できるよう、やるべきことを事前に把握しておきましょう。
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警察へ被害届を提出する: まず最初に、最寄りの警察署または交番へ行き、盗難の被害届を提出します。このとき、受理番号が発行されますので、必ず控えておきましょう。この受理番号は、後の保険請求や各種手続きで必要になります。車の登録番号(ナンバープレート)、車台番号、色、特徴などを正確に伝えられるよう、車検証のコピーなどを手元に用意しておくとスムーズです。
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保険会社へ連絡する: 次に、加入している自動車保険の保険会社へ連絡します。車両保険に加入していれば、盗難も補償の対象となる場合があります。警察から発行された被害届の受理番号を伝え、保険金請求の手続きについて指示を仰ぎます。
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運輸支局で一時抹消登録の手続きを行う: 盗難された車であっても、登録が残っている限り自動車税の課税対象となります。これを止めるために、管轄の運輸支局(または自動車検査登録事務所)で「一時抹消登録」の手続きを行います。この手続きにも被害届の受理番号が必要です。
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その他(必要に応じて): 車内にETCカードやクレジットカード、給油カードなどを置いていた場合は、それぞれのカード会社へ連絡し、速やかに利用停止の手続きを行ってください。不正利用による二次被害を防ぐためにも、迅速な対応が求められます。
盗難直後は動揺してしまうものですが、これらの手続きを一つずつ着実に行うことが、被害を最小限に食い止めるために不可欠です。
車両盗難は自動車保険でカバーできる?
愛車が盗難された場合の経済的な損害をカバーするのが、自動車保険の「車両保険」です。ただし、車両保険に加入していれば必ず補償されるわけではなく、いくつかの注意点があります。
まず、車両保険には、補償範囲が広い「一般型(フルカバータイプ)」と、補償範囲が限定的な「エコノミー型(限定カバータイプ)」があります。盗難は、一般的にはどちらのタイプの車両保険でも補償の対象となりますが、ごく稀に特約などで対象外となっているケースも考えられるため、契約内容を今一度確認しておくことが大切です。
補償が適用される場合、盗難された車は「全損」扱いとなり、契約時に設定した車両保険金額が支払われるのが一般的です。ただし、車内に置いていた現金やスマートフォン、ゴルフバッグといった個人的な所持品(積載動産)は、車両保険の補償対象外となる点に注意が必要です。これらは別途「身の回り品補償特約」などに加入していなければ補償されません。
また、車両保険を使用すると、翌年のノンフリート等級が1等級ダウンし、さらに「事故あり係数」が1年間適用されます。これにより、翌年以降の保険料が割高になります。保険金を受け取るメリットと、保険料が上がるデメリットを比較検討することも必要になるでしょう。
フォレスターの盗難率と備えの重要性を総括
- フォレスターの盗難率は主要な標的車種と比較して低い傾向にある
- しかし自動車盗難のリスクがゼロというわけでは決してない
- 日本の自動車盗難ワースト1位は長年ランドクルーザーが続く
- 最新の盗難ランキング上位はトヨタとレクサスブランドが独占
- 海外での高い需要やリセールバリューが特定の車種を狙う背景にある
- フォレスターは窃盗団の主要なターゲットからは外れていると推測される
- 同じスバル車のXVやレヴォーグも同様に盗難リスクは比較的低い
- スバル車ではWRXが特殊な需要から狙われることがある
- 車両盗難が最も多い都道府県は愛知県で次いで千葉県や埼玉県
- 盗難が最も発生しやすい場所は意外にも自宅の駐車場である
- 最新の盗難手口にはリレーアタックやCANインベーダーがある
- 対策は物理的ロックと電子的セキュリティの組み合わせが有効
- ハンドルロックやタイヤロックは視覚的な抑止効果が高い
- 電波遮断ポーチやスバル車の節電機能はリレーアタックに有効
- 万が一盗難されたら速やかに警察へ被害届を提出することが最優先
- 車両保険に加入していれば盗難による損害は補償される可能性がある
- 保険を使うと翌年の等級が下がり保険料が上がることへの理解も必要
- リスクが低い車種であっても複数の防犯対策を講じることが愛車を守る鍵となる