Jeepラングラーのカスタムの中でも特に人気の高いのが「リフトアップ」です。見た目の迫力をアップさせるだけでなく、悪路走破性の向上など実用的なメリットも多く、多くのオーナーが検討するカスタムのひとつとなっています。しかし、実際に施工を考えると費用がいくらかかるのか、どのような工賃が妥当なのか、気になる点は多いのではないでしょうか。
この記事では、リフトアップの方法別に費用の目安を解説しながら、工賃 比較やパーツ持ち込み時の注意点、車検対応にかかる追加費用についても詳しくご紹介します。よくあるリフトアップのメリットとリフトアップのデメリットにも触れながら、失敗しないカスタムのためのポイントを丁寧に解説します。
また、2インチ程度のライトなカスタムから、35インチタイヤ装着を見据えた本格的な仕様まで幅広く対応し、それぞれに合ったキットのおすすめや、乗り心地に影響するパーツの選び方もご紹介。正規ディーラーでの対応可否や、信頼できる業者選びのコツも取り上げています。
これからラングラーをリフトアップしようと考えている方にとって、費用と作業内容を事前にしっかり把握しておくことはとても重要です。本記事が、あなたの理想のカスタム実現に向けた判断材料となれば幸いです。
この記事のポイント
- リフトアップにかかる費用の相場と内訳
- 工賃の違いや業者ごとの価格差
- 車検対応に必要な追加費用や注意点
- キットの種類と乗り心地への影響
ラングラーのリフトアップ費用の相場と内訳
- 工賃の比較と目安
- 業者選びで費用はどう変わる?
- 持ち込み対応のメリットと注意点
- ディーラーでの対応と費用感
- 車検対応に必要な追加費用とは?
工賃の比較と目安

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ラングラーのリフトアップにかかる工賃は、カスタムの内容や作業の難易度によって大きく異なります。おおよその目安として、簡易的なリフトアップ(スペーサータイプ)であれば5万円〜10万円程度、サスペンション全体の交換を伴う本格的なリフトアップになると10万円〜20万円程度が相場とされています。さらに、ショックアブソーバーの同時交換やアライメント調整、ラテラルロッドの前後取り付けなどの作業が加わると、総額で30万円を超えるケースも珍しくありません。
これを理解するためには、まずリフトアップの方法を知る必要があります。例えば、1~2インチ程度の小幅なリフトアップであれば、スペーサーを用いた比較的簡易な施工となるため、工賃は抑えられます。一方で、3インチ以上のリフトアップではコイルスプリングやショック、場合によってはロアアームやスタビライザーリンクなどの交換も必要になるため、作業量が増え、工賃も高額になります。
さらに、タイヤサイズの変更も加わると、組み換えやバランス調整に費用が発生します。例えば35インチタイヤへの交換では、1本あたり5,000円前後の作業費がかかり、4本で2万円ほどを見込む必要があります。これに加えて、リフトアップ後のアライメント調整は約2万円〜3万円前後が相場です。
このように、作業内容が複雑になるほど工賃も上がるのが一般的です。単に「リフトアップ」といっても内容はさまざまで、見た目重視のカスタムか、走行性能まで考慮した本格カスタムかによって費用も変わってきます。
注意すべきなのは、工賃が安すぎる業者には慎重になる必要があるという点です。技術力や作業の丁寧さは価格だけでは測れませんが、相場より極端に安い場合、手抜き工事や安全性の確保が不十分な可能性もあります。
このため、リフトアップを検討する際には、作業内容ごとの価格を確認した上で、トータルの見積もりを取ることが重要です。そして何より、安さよりも安全性と信頼性を重視する視点を持つことが、満足のいくカスタムにつながります。
業者選びで費用はどう変わる?

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リフトアップの費用は、選ぶ業者によって大きく変わる可能性があります。これは、技術力、取扱パーツ、作業の丁寧さ、そしてアフターサービスの有無など、業者ごとに対応の質や内容が異なるためです。同じ作業内容であっても、見積もりに数万円の差が出ることも珍しくありません。
まず、専門店かどうかが大きなポイントです。リフトアップや4×4カスタムに特化したショップでは、経験と実績が豊富で、適切なパーツ選びやセッティング、構造変更に関する知識も持ち合わせています。このため、安心して任せられる一方で、工賃はやや高めに設定されている傾向があります。ただし、適正な工賃であれば、トラブル回避や完成度の高さを考慮すると十分納得できる範囲内といえるでしょう。
一方、量販店や一般整備工場では工賃が抑えられていることもありますが、リフトアップのようなカスタム作業に慣れていない場合、作業時間が長引いたり、パーツの選定ミスや取り付けの不備が起きる可能性も否定できません。このようなリスクを回避するためには、過去の施工実績やクチコミを確認してから依頼するのが安心です。
また、持ち込みパーツに対応しているかどうかも業者選びの重要な基準です。持ち込みOKのショップは比較的柔軟に対応してくれますが、工賃が割高になる場合があります。特に海外製品や説明書がないパーツの場合、取り付けに時間がかかり、その分費用も高くなる傾向があります。
さらに、アフターフォローの有無にも注目しましょう。たとえば、作業後に異音が発生した場合や、車検対応で調整が必要になった場合、再度対応してくれるかどうかは、実際の満足度に大きく関わります。初期費用が多少高くても、アフターサービスまで含めて安心できる業者を選ぶほうが結果的にお得になることも多いのです。
このように、リフトアップの費用は単純に「パーツ代+工賃」で決まるものではなく、業者の対応力と信頼性が価格差に反映されると考えるのが適切です。だからこそ、価格だけで判断するのではなく、施工品質やサポート体制まで含めて総合的に比較することが大切です。
持ち込み対応のメリットと注意点

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リフトアップを検討している方の中には、すでにキットやパーツを自分で購入済みというケースも多いのではないでしょうか。そのような場合に有力な選択肢となるのが、「パーツ持ち込み対応可能なショップ」です。パーツを自分で選んで持ち込むことで、費用を抑えたり、理想のカスタムを実現できたりする可能性があります。
まず、持ち込み対応の最大のメリットはコストの柔軟性にあります。自分でパーツを探すことで、ネット通販やセール品などを活用し、定価よりも安くキットを手に入れられることがあります。業者でパーツを取り寄せる場合、正規ルートや代理店を経由するため価格が高めに設定されることが多く、その差額は1万円以上になることもあります。また、ブランドやスペックにこだわりたい人にとって、豊富な選択肢から選べる点も魅力です。
一方で、持ち込みにはいくつかの注意点があります。そのひとつが「取り付け保証がない」または「保証対象外になる」リスクです。多くのショップでは、持ち込みパーツに対しては製品不良や取り付け後の不具合が発生しても責任を負わないという方針をとっています。特に、海外製品や並行輸入品は、説明書がなかったり、国内の規格に合わなかったりすることもあり、取り付けに手間がかかる場合があります。
さらに、工賃が割高になるケースも珍しくありません。これは、持ち込まれるパーツの仕様や状態が事前に分からないため、取り付けに想定外の作業が発生するリスクを見越しての価格設定です。具体的には、通常の取付費用が5万円であっても、持ち込みになると7万円〜8万円になるといった例もあります。
このような背景を踏まえると、持ち込み対応を依頼する際は事前の打ち合わせが重要です。ショップによっては、事前にパーツの品番や仕様を確認し、施工の可否を判断してくれるところもあります。また、万が一に備えて、パーツに関する説明書や適合情報、購入時の明細書などを準備しておくとスムーズです。
総じて、持ち込み対応はコストとカスタム性の自由度を高める一方で、リスクと手間も伴います。そのため、経験豊富な業者や、過去に持ち込み実績のある信頼できるショップを選ぶことが、失敗を防ぐポイントとなります。
ディーラーでの対応と費用

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Jeepラングラーのリフトアップを正規ディーラーで対応してもらえるかどうかは、多くの人が気になるポイントかもしれません。しかし実際のところ、正規ディーラーではリフトアップなどのカスタム対応は基本的に推奨されておらず、対応も限定的です。
その理由のひとつは、「メーカー保証や安全基準との整合性」です。ディーラーは車両の純正状態を前提に整備や修理を行うため、サスペンションやタイヤサイズの変更など、車両構造に影響を与えるリフトアップは、保証対象外と判断されることがあります。特に、3インチ以上のリフトアップや35インチのタイヤ装着などは、構造変更や法令への適合確認も必要になるため、ディーラーでは対応を断られるケースが多くなります。
それでも、ディーラーによっては純正オプション扱いのリフトアップキット(例:MOPARリフトアップキット)を販売・取り付けしてくれるところもあります。この場合、作業も保証もディーラーが対応するため、安心感があります。ただし、純正キットは高額で、2インチリフトアップであっても工賃込みで40万円以上かかることもあります。一見高額に思えるかもしれませんが、安全性や保証を重視する方にとっては選択肢のひとつと言えるでしょう。
また、すでにリフトアップされた車両の「点検・整備・車検」についても、ディーラーの対応は限定的です。過度なリフトアップ車や社外パーツを多用した車両は、「安全基準を満たしていない可能性がある」として入庫自体を断られる場合があります。これは、法的リスクや整備保証の観点からの措置であり、個々のディーラーの判断に左右されるため、一概には言えません。
このため、ディーラーでの対応を検討する際は、事前に施工可能な内容を確認することが非常に重要です。リフトアップをしたいと考えている段階で、相談だけでもしておくとスムーズですし、今後の整備対応を見据えた判断にもつながります。
まとめると、ディーラーでの対応は「純正キットを用いた軽度なリフトアップ」には適していますが、自由度の高いカスタムや費用を抑えたい人にはあまり向いていません。一方で、純正部品とメーカー保証を重視したい場合には、安全かつ確実な選択肢とも言えるでしょう。
車検対応に必要な追加費用とは?

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リフトアップを施したラングラーにおいて、もっとも注意しなければならないのが「車検対応の可否」です。多くのユーザーが「見た目重視」や「走破性アップ」を目的にカスタムを進めていく中で、思わぬ落とし穴となるのが車検の基準です。そして、車検を通すためには単なる構造確認だけでなく、追加で発生する費用や整備項目がいくつか存在します。
まず前提として、リフトアップ後の車両が車検に通るかどうかは「構造変更が必要なケース」かどうかに大きく左右されます。たとえば、車高が4cm以上上がった場合や指定外部品(社外ブロックやリーフスプリング)を用いた場合は、基本的に「構造変更申請」が必要になります。この手続きは単なる再検査ではなく、運輸支局への届け出と認証が必要な正式な手続きであり、その代行費用はおおむね8万円〜15万円程度が相場です。これには書類作成・測定検査・申請手続きなどが含まれます。
次に、光軸調整や直前直左の視界対策も重要な要素です。リフトアップによってヘッドライトの照射角が上方にずれてしまうと、基準を超えてしまい検査に通りません。これを修正するためには、専門機器を使った光軸調整が必要で、費用は数千円〜1万円前後を見込む必要があります。
さらに、「直前直左の死角問題」に対応するためには、カメラやミラーの後付けが必要な場合もあります。特に最近の基準では、運転席から見えない位置に高さ1m・直径30cmの円柱が確認できるように設計されていなければなりません。対応品を購入し取り付ける費用として、2万円〜5万円程度が追加で必要になることがあります。
また、35インチなどの大径タイヤを装着している場合は、全幅の増加によってオーバーフェンダーが必要になる可能性があります。この際、全幅が20mm以上増えると構造変更対象になるだけでなく、部品代や取付費用が別途かかるため、5万円〜10万円以上の追加費用が発生することもあります。
そのほか、突入防止装置(リアバンパーの高さに関する基準)やフロントバンパーの強度確認が必要になるケースもあります。特に2021年以降に製造された車両は保安基準が厳格化されており、構造物の高さが550mm以上になると突入防止装置の装着が必要です。これにより、バンパーの補強・追加部品取り付けに3万円〜7万円ほどの費用がかかる場合もあります。
こうした点を踏まえると、単にリフトアップするだけでなく「車検対応のための準備と費用」を事前に把握することが極めて重要です。初めてリフトアップを検討する方にとっては見落としやすい部分ですが、これらを後から対応しようとすると、追加費用だけで10万円以上が上乗せされる可能性もあります。
最終的に、安全かつ合法的に公道を走行できる車両に仕上げるためには、事前の見積もり確認と、車検対応に慣れたショップ選びがカギとなります。カスタムの満足度を高めるためにも、見た目の仕上がりと同様に「車検対応の準備」を丁寧に進めていくことが大切です。
ラングラーのリフトアップ費用に関する選び方ガイド
- 2インチリフトアップの費用と特徴
- 35インチのリフトアップの費用
- おすすめのリフトアップの価格帯
- 乗り心地に影響するパーツ選び
- リフトアップのメリットと注意点
- リフトアップのデメリットと構造変更の可能性
2インチリフトアップの費用と特徴

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2インチリフトアップは、Jeepラングラーにおけるリフトアップカスタムの中でも比較的「ライトなカスタム」と位置付けられています。車高をわずかに引き上げることで、オフロードスタイルの見た目を実現しながら、乗り心地や車検の問題を最小限に抑えることができるのが特徴です。そのため、リフトアップ初心者や日常使いを重視するユーザーにとって、非常に人気のあるカスタムメニューとなっています。
この2インチという高さは、センチに換算すると約5cm強。視覚的にも車が一回り大きく見えるうえ、悪路での腹下のクリアランスも向上します。さらに、構造変更が不要なケースも多く、比較的簡易に施工できる範囲内とされています。特に、純正パーツとの互換性を考慮した「コイルスプリングのみの交換」や「スペーサーの装着」で対応できるのが大きなメリットです。
費用面においては、方法によって大きな違いが出てきます。たとえば、スペーサータイプであればパーツ代が3万〜5万円程度、工賃込みで5万〜8万円程度が一般的な相場です。一方で、コイルスプリングやショックを含むサスペンション交換タイプになると、部品代が10万円〜20万円前後、工賃を含めて総額15万〜25万円程度になることがあります。特に、純正サスペンションと互換性の高いMOPAR(モパー)製のリフトアップキットは、FOXサスペンションが含まれる高品質な仕様である分、総額40万円以上に達することもあります。
なお、2インチアップであっても、大径タイヤとの組み合わせ次第では干渉の回避やアライメント調整が必要になる場合があります。そのため、作業の際には「タイヤサイズとのバランス」や「今後の拡張性」を含めた相談が重要になります。
このように、2インチリフトアップはコスト・効果・安全性のバランスが取れており、通勤や街乗りをメインとしたユーザーでも導入しやすいのが魅力です。派手すぎないが確実に存在感を増す仕様を求める方にとっては、最適なカスタムと言えるでしょう。
35インチのリフトアップの費用

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35インチタイヤを装着するためには、Jeepラングラーの足回りに大きな調整が必要です。このカスタムは見た目の迫力とオフロード性能の向上を実現できる一方で、それなりの費用と手間がかかる本格派のリフトアップになります。特に、タイヤ外径が純正の814mmに対して35インチでは約889mmに達するため、単純なサイズアップというより「車両の性能バランスを再構築する作業」と考えるべきです。
このカスタムに必要なリフト量は、**最低でも3インチ(約7.6cm)**が推奨されます。単に車高を上げるだけではなく、サスペンション、ショック、ロアアーム、ラテラルロッドの延長・交換が必要となるケースがほとんどです。そうしなければ、走行安定性や直進性能に悪影響が出るだけでなく、パーツへの過度な負担も避けられません。
費用面では、まず35インチのタイヤ自体が1本あたり3万円〜5万円前後。ホイールも含めてセットで購入すると12万円〜20万円程度になります。加えて、3インチ以上のサスペンションリフトアップにかかる費用は、パーツ代が20万〜40万円前後、工賃が10万円以上となることが多く、ここまでで合計30万〜50万円以上の費用がかかる見込みです。
さらに、リフトアップ後はアライメント調整(約2万〜3万円)、**構造変更の代行手続き(8万円〜15万円)**も必要になる可能性があります。また、大径タイヤ装着により車幅が増す場合、**オーバーフェンダーの取り付けと塗装費用(数万円〜)**が発生することも想定しておくべきです。
このように見ていくと、ラングラーを35インチに対応させるためのトータルコストは50万〜70万円を超えることも珍しくありません。ただし、見た目のインパクトや実用性、オフロード走破性といった性能面での向上は非常に高く、多くの愛好家が憧れるスタイルでもあります。
ただし、施工を任せる業者の選定は慎重に行いましょう。35インチタイヤへの対応には高い専門性が求められます。対応経験が豊富なショップであれば、タイヤの干渉回避やサスペンションの最適化、車検対応まで含めたトータルサポートが期待できます。安全で快適なドライブを実現するためには、見た目だけでなく、走行性能や整備性も加味したカスタム設計が必要です。
おすすめのリフトアップの価格帯

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ラングラーのリフトアップを計画する際、どのキットを選ぶかは仕上がりの完成度を左右する大きなポイントです。各キットにはそれぞれ特長があり、価格帯も大きく異なります。選び方を間違えると、見た目は良くても走行性や耐久性に問題が出てしまうため、目的に合ったキットを選ぶことが重要です。
まず、多くのユーザーに選ばれているのが「Rough Country(ラフカントリー)」です。アメリカの人気ブランドで、価格は比較的リーズナブルながら、2.5インチ~3.5インチのリフトアップに対応しています。コイルスプリングとショックがセットになった基本的なキットは10万円〜15万円程度で手に入り、初心者でも導入しやすいのが特長です。見た目の変化を重視しつつ、コストを抑えたい方に適しています。
一方で、より高性能を求める方には「MOPARリフトアップキット」が挙げられます。Jeep純正ブランドで、FOX製のショックを採用しており、乗り心地や耐久性に優れています。2インチリフトが主流で、価格は40万円前後と高額になりますが、車検対応や保証面でも安心感があります。正規ディーラーでの取り扱いもあるため、保証を重視する方にはおすすめの選択肢です。
さらに、オフロード性能を最大限に高めたい場合は「ICON VEHICLE DYNAMICS」や「RUBICON EXPRESS(ルビコンエキスプレス)」といったハイエンドブランドも検討の価値があります。これらのキットは2.5~4.5インチのリフトアップに対応し、競技仕様の設計がなされていることが多いため、本格的なオフロード走行に対応できます。価格は20万円〜40万円以上と高めですが、信頼性とパフォーマンスの両方を求めるユーザーにはぴったりです。
一方、「TERA FLEX」や「READY LIFT」のように、スペーサー中心のキットもあります。これらは1〜2.5インチ程度の小幅リフトアップを想定しており、価格も5万円〜10万円程度と非常にリーズナブル。見た目の変化を楽しみつつ、コストを抑えたい方や初めてのカスタムにおすすめです。
このように、リフトアップキットは選ぶメーカーや構成によって、価格も用途も大きく変わります。性能、見た目、予算、走行スタイルのバランスを見ながら、自分に合った製品を選ぶことが、満足のいくカスタムの第一歩です。
乗り心地に影響するパーツ選び

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ラングラーをリフトアップする際に忘れてはならないのが「乗り心地の維持」です。リフトアップというと、見た目の迫力や悪路走破性に目が行きがちですが、実際には日常的な運転の快適さも大きく変わります。そして、この快適さを左右するのが、選ぶパーツの種類と組み合わせです。
乗り心地に最も影響するパーツのひとつがショックアブソーバーです。これは車の上下動を抑える役割を持っており、リフトアップ時に純正ショックをそのまま使い続けると、ストローク量が合わず、硬く感じたり、逆に不安定な挙動になったりします。そのため、リフトアップに合わせて「ロングストローク対応のショック」に交換することが望ましいです。特に、FOXやBILSTEINなどの高性能ショックは減衰力が調整できるモデルもあり、オフロードとオンロードの両方に対応した滑らかな乗り心地を実現できます。
次に影響が大きいのが**スプリング(コイル)**です。リフトアップに使われる社外スプリングは、通常よりも長く、硬めに設計されていることが多く、その分、車体のロール(横揺れ)を抑える効果があります。ただし、硬すぎると段差や荒れた道で突き上げ感が強くなるため、快適性を重視するなら、柔軟性と反発力のバランスがとれた設計のものを選ぶのがポイントです。
また、忘れられがちなパーツがラテラルロッドやスタビライザーリンクです。これらはリフトアップによって変わったサスペンションの角度や位置を調整するもので、足回りの動きを本来の状態に近づける役割を持ちます。これらが最適化されていないと、左右へのふらつきや直進安定性の低下、異音などが発生することがあります。調整式ラテラルロッドや延長スタビリンクを適切に組み合わせることで、乗り心地と操縦安定性を両立できます。
一方、35インチなどの大径タイヤを装着する場合、タイヤのゴツさによっても乗り味が変わってきます。マッドテレーンタイヤはトラクション性能が高い反面、舗装路ではゴロゴロとした振動やノイズが気になる場面もあります。静粛性や舗装路での快適さを重視する場合は、オールテレーンタイヤや静音設計モデルを選ぶのが有効です。
このように、リフトアップ後の乗り心地は「高さを上げること」だけではなく、「どのパーツをどう組み合わせるか」によって大きく左右されます。見た目だけで判断せず、日常の使い方や走行シーンも考慮してパーツ選びを行うことが、満足度の高いカスタムにつながります。
メリットと注意点

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ラングラーのリフトアップは、ただ見た目がカッコよくなるだけのカスタムではありません。見た目の変化だけでなく、実用性や走破性にも直結する効果があるため、多くのオフロードファンやアウトドア志向のユーザーに選ばれています。ただし、リフトアップにはいくつかの注意点もあるため、カスタム前にしっかり把握しておくことが大切です。
まず、リフトアップ最大の魅力は「迫力のあるスタイリング」を手に入れられる点です。車高が上がることでボディ全体が力強く見え、タイヤハウスに余裕が生まれることで、大径タイヤの装着も可能になります。純正状態では収まらない35インチのタイヤも、3インチ程度のリフトアップを行えば装着でき、視覚的インパクトが大きく変化します。街中でもひときわ目立つ存在になり、オリジナリティを演出できるのは大きな魅力です。
次に、リフトアップは「悪路走破性の向上」にも寄与します。地上高が上がることで、車体の下部を障害物に擦るリスクが軽減され、岩場や段差のあるフィールドでも安心して走行できます。また、アプローチアングルやデパーチャーアングルも広がるため、急な斜面でもボディをぶつけにくくなり、アウトドアでの機動力が高まります。舗装されていないキャンプ場や林道をよく利用する方には特に効果的です。
ただし、いくつかの注意点も存在します。まず、車高が上がることで「視点が高くなる」点はメリットでもありますが、車両の重心が高くなることで「横揺れしやすくなる」傾向もあります。特に、高速道路でのコーナリング時や横風を受けた場面では、純正状態に比べて車体が揺れやすく、慣れないと不安に感じることもあるでしょう。
また、タイヤサイズやホイール幅を変更した場合、フェンダーのはみ出しや直前直左視界の確保など、「保安基準への対応」も求められます。これを怠ると車検に通らないだけでなく、安全性にも関わるため、対応するミラーやカメラ、オーバーフェンダーの取り付けが必要になることがあります。
そしてもうひとつ重要なのが「カスタム内容によっては構造変更が必要になる可能性がある」という点です。これについては後述しますが、リフトアップの高さや使用するパーツによって、法的手続きが発生する可能性があるため、事前に確認しておくことが欠かせません。
このように、リフトアップは見た目と実用性を一度に高められる優れたカスタムですが、その効果を最大限に引き出すためには、走行安定性・安全性・法規制への配慮を忘れてはいけません。事前に知識を持ち、信頼できる業者に依頼することで、安心してラングラーを理想の姿に近づけることができます。
リフトアップのデメリットと構造変更の可能性

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ラングラーのリフトアップには多くのメリットがある一方で、無視できないデメリットや注意点も存在します。特に、安全性や法的な問題、維持管理の面では予想外の負担が発生することもあります。これらを知らずにカスタムを進めてしまうと、後になって「こんなはずじゃなかった」と感じることになりかねません。
まず、リフトアップによる代表的なデメリットは「走行安定性の低下」です。車高を上げることで車両の重心も上がるため、コーナリング時のロール(横揺れ)が大きくなりやすくなります。高速道路や風の強い日、急なハンドル操作をしたときなどに不安定に感じることがあり、運転には慣れが必要になります。また、タイヤの外径が大きくなるとステアリング操作の重さやブレーキ性能の変化も生じやすくなります。
次に考えるべきなのが「取り回しの悪化」です。特に都市部では立体駐車場や地下駐車場、フェリーのスロープなどで車高制限に引っかかることがあります。全高が上がることでこれまで通れていた場所に入れなくなる可能性があるため、日常的に車を使う場面での利便性にも影響を及ぼします。
さらに、リフトアップに伴う大径タイヤの装着や足回りのカスタムによって、燃費が悪化するケースもあります。タイヤの回転抵抗や重量が増すことでエンジン負荷が高まり、加速の鈍化や燃費の低下を引き起こす要因になります。これは街乗りを中心に使っているユーザーにとっては無視できないポイントです。
ここで特に重要になるのが「構造変更の必要性」です。車高を4cm以上上げる場合や、指定外部品(社外のリーフスプリングやブロックなど)を使用してリフトアップを行った場合、法的には「構造等変更検査(構造変更)」を受ける義務があります。この検査では、車検証の記載内容と実車の状態が一致しているか、安全基準を満たしているかを確認します。
構造変更が必要になると、運輸支局での検査や書類申請が発生し、手数料・代行費用・測定などを含めて8万円〜15万円ほどの追加費用がかかるケースが一般的です。さらに、車検を通すために直前直左視界の確保、光軸調整、突入防止装置の装着などが必要となることもあり、思っている以上に手間と費用がかかる場合があります。
また、保険や保証の面でも注意が必要です。車両保険や任意保険の契約内容によっては、リフトアップや社外部品の取り付けが補償対象外になる可能性もあるため、事前に保険会社へ確認しておくことが望ましいです。
こうしたことから、リフトアップにはしっかりとした準備と計画が不可欠です。外観や性能を重視するだけでなく、日常使用や法規制まで見据えたうえで、必要なパーツ選定と法的手続きの準備を行うことが、失敗しないリフトアップのカギとなります。特に初めてのカスタムであれば、構造変更に強い専門店に相談しながら進めることをおすすめします。
ラングラーのリフトアップ費用の総まとめとポイント一覧
- スペーサー式の簡易リフトアップは工賃5万〜10万円が相場
- サスペンション交換タイプは工賃10万〜20万円と高め
- フルカスタムでは総額30万円以上になるケースも多い
- タイヤ交換費用は4本で2万円前後を見込む必要がある
- アライメント調整の費用相場は2万〜3万円程度
- 業者によって見積もりに数万円の差が出ることがある
- 専門店は信頼性が高いが工賃はやや高めに設定される
- 一般整備工場は安価だが作業経験が少ない場合もある
- パーツ持ち込みは費用を抑えられる反面、保証外となるリスクがある
- 海外製パーツの持ち込みは工賃が高くなる傾向がある
- ディーラーは純正キットなら対応可能だが費用は高額
- 過度なリフトアップ車はディーラー入庫を断られることがある
- 車高4cm超のアップは構造変更が必要になりやすい
- 構造変更代行費は8万〜15万円前後が相場
- 工賃の安さだけで業者を選ぶと安全性に問題が出る可能性がある